うつ病
病気の概要や特徴
うつ病ってどんな病気?
ある程度以上の強い憂うつ感や気分の落ち込みが相当期間続き、物事の考え方や行動に影響が強く出てしまっている状態を指します。
うつ病になると、こういった「抑うつ」の状態が心や行動を日常的に支配してしまいます。
「気の持ちようだ」とか「気にしすぎ」などと言われることがあるかもしれません。しかし、うつ病は、脳内の神経伝達物質の働きが低下して活力不足となり、ゆううつな気分に見舞われるため、単なる気の持ちようではなく、治療が必要になります。
うつ病のサインや症状
以下に主な症状を紹介します。
- (1) こころの症状
- 憂うつ、気分が重い、気分が沈む、悲しい、不安である、イライラする、元気がない、集中力がない、好きなこともやりたくない、細かいことが気になる、悪いことをしたように感じて自分を責める、物事を悪い方へ考える、死にたくなる、眠れない、何に対しても興味が持てない、人付き合いもいやになる、新聞やテレビも見なくなる、身だしなみに関心を払わなくなる、過去の小さなことを思い出しては悩む、物事の判断が出来なくなる
- (2) 周囲から見てわかる症状
- 表情が暗い、涙もろい、反応が遅い、落ち着かない、飲酒量が増える、物忘れやミスが多くなった
- (3) からだの症状
- 眠れない、眠りが浅い、食欲がない、何を食べてもおいしいと思えず、砂をかんでいるようだ、胃がもたれる、むかつきがある、体重が減った、微熱が続く、冷や汗や寝汗をかく、体がだるい、疲れやすい、性欲がない、生理不順が続く、頭痛、肩こり、動悸、胃の不快感、便秘がち、めまい、おなかが張る、口が渇く
うつ病の代表的な治療法
うつ病は放っておくと慢性化しやすく、再発しやすい特徴があります。できるだけ早い時期に適切な治療を受ける必要があります。現在使用されている抗うつ薬は症状を徐々に軽減させ、ついには症状がない状態へ導く手助けとなります。しかし、いくらお薬を飲んでも、病気のきっかけとなったストレスを受け続けている状態では、その効果が不十分な場合があります。従って、お薬を飲みながら、十分な「こころとからだの休養」をとることも必要となります。場合によってはストレスになっているような環境の調整も必要です。また、症状によっては、抗不安薬や睡眠薬など、他の種類の薬を併用することもあります。うつ病を長引かせないため、また、うつ病を繰り返さないためにも、きちんと医師の指示に従って治療を続けることが大切です。