パニック障害
病気の概要や特徴
パニック障害ってどんな病気?
パニック障害とは
特別な理由もなく、突然激しい不安に襲われ、動悸、息切れ、目まい、呼吸困難、発汗、吐き気などが出現し、強い恐怖を味わう発作を繰り返す病気です。(パニック発作) 100人中1~2人にみられます。
その発作以降「またあの発作が起こるかもしれない」という不安感につきまとわれるようになります。(予期不安)
そして、発作が繰り返し起こるため、発作が起こりやすいような場所や状況を避けるようになります。(回避行動)
そのため、「一人で外出できない」、「電車やバスに乗れない」など、日常生活に支障をきたすようになります。
身体の病気を疑って、病院で心臓の病気(不整脈、狭心症)の検査、呼吸器の病気(喘息、過換気症)の検査を受けても、身体には異常が見つからないのもこの病気特徴の1つです。
パニック障害の原因
パニック障害の原因は、今のところまだはっきりとわかっていませんが、セロトニンをはじめとする、脳内の「神経伝達物質」という物質のアンバランスが原因の一つであると考えられています。決して、気のせいで起こるのではありません。
パニック障害の治療
パニック障害の治療は、薬物療法が主流です。抗うつ薬や、抗不安薬などの薬を適切に使用することで、多くの場合、パニック障害の症状が改善します。きちんと治療すれば治る病気です。これを放置すると日常生活や社会生活に支障がくることにより、二次的にうつ病やひきこもりなどに至ることもあります。
パニック障害の代表的な治療法
パニック障害ではパニック発作を消失させることが治療の第一目標になりますが、それには薬物が有効で、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)とBZD(抗不安薬のベンゾジアゼピン誘導体)が主として用いられます。
SSRIとBZDにはそれぞれ特徴があり、両者の長所・短所を踏まえた併用療法が推奨されています。
なお、症状が良くなっても薬はすぐにやめず、半年から1年くらいそのまま続け、それから徐々に減らしていくようにします。パニック障害は再発しやすい病気だからです。またSSRIを急に中止すると、断薬症状といって、頭痛、めまい、感冒様症状などが出ることがありますので、必ず医師に相談し、指示通りに服用または中止するようにしてください。