統合失調症
病気の概要や特徴
統合失調症ってどんな病気?
統合失調症は、およそ100人に1人がかかる病気といわれています。決して珍しい病気ではありません。10代から30代頃に発症することが多い病気です。
幻覚や妄想に悩まされたり、イライラして怒りっぽくなったりと、さまざまな症状が見られます。
統合失調症の原因は、今の所まだはっきりとはわかっていませんが、ドーパミンをはじめとする脳内の「神経伝達物質」という物質のアンバランスが原因の一つと考えられています。
統合失調症の症状は患者様によってさまざまです。
また、患者様によって、見られる症状は大きく異なります。以下に、代表的な症状をいくつかあげます。
- 幻覚
- 「居ないはずの人の声が聞こえる」という幻聴や、「無いはずのものが見える」という幻視などがあります。
- 妄想
- 通常ありえないはずの考えを強く確信してしまいます。
「誰かに嫌がらせをされている」、「誰かに監視されている」などです。
- 思考障害
- 話のつじつまが合わなかったり、会話に脈絡がなくなったりします。
他にも、イライラして怒りっぽくなったり、一人でブツブツ独語したり、夜眠れなくなったりすることがあります。また、人目を避けて部屋に閉じこもるようになったり、身の回りのことに無頓着になったり、意欲や集中力が続かなくなったりします。
統合失調症の患者様には、”ご自身が病気であるとの認識”(病識)が不十分である場
合があります。
そのような場合には、ご家族など、周りの人達が、病気に気づき、受診を勧めて頂く必要のある場合があります。
そのため、統合失調症の治療には、ご家族をはじめとする周囲の方々のご協力がとても大切になります。
統合失調症のサインや症状
統合失調症の症状でよく知られているのが、「幻覚」と「妄想」です。
幻覚とは実際にはないものをあるように感じる知覚の異常で、中でも自分の悪口やうわさなどが聞こえてくる幻聴は、しばしば見られる症状です。
妄想とは明らかに誤った内容を信じてしまい、周りが訂正しようとしても受け入れられない考えのことで、いやがらせをされているといった被害妄想、テレビやネットが自分に関する情報を流していると思い込んだりする関係妄想などがあります。
こうした幻覚や妄想は、本人にはまるで現実であるように感じられるので、病気が原因にあるとはなかなか気づくことができません。
統合失調症の代表的な治療法
統合失調症の治療は、薬物療法が主流
ドーパミンをはじめとする「神経伝達物質」のアンバランスを調整する作用のある薬を服用していただきます。
統合失調症の治療には、外来通院での治療と、入院しての治療があります。どちらの治療が望ましいかは、患者様の症状に応じて、専門の医師が判断します。
精神科的リハビリテーション
統合失調症の患者様には、他人とコミュニケーションを取るのが苦手な人、意欲や集中力が続かない人、身の回りのことに無頓着な人、などが多く見受けられます。
このような患者様には、作業療法や生活技能訓練といった、「精神科的リハビリテーション」が有効な場合があります。
デイ・ケアも、外来通院で行われる「精神科的リハビリテーション」の一種です。