自律神経失調症
病気の概要や特徴
自律神経失調症ってどんな病気?
自律神経失調症とは
自律神経が乱れると、私たちの身体には様々な不調が現れます。
その症状の一つに「自律神経失調症」があります。私たちの身近でも起こり得る、自律神経失調症とは一体どのようなものなのでしょうか。
自律神経とは
自律神経とは、自分の意志でコントロールできない、生命活動の重大な働きを司る神経のことをいいます。
例えば、体温調整・呼吸・消化・排泄などの、無意識のうちに行われる働きのことです。自律神経には、交感神経と副交感神経の二つがあります。交感神経は活動する神経といわれ、副交感神経は休む神経といわれています。この二つの神経がバランスを保ちながら働くことにより、心身とも正常に保たれます。
どちらか一方の働きが弱まったり強まったりしてバランスが崩れると、心身ともに様々な不調が現れます。
そういった自律神経のバランスの乱れにより、心身に様々な不調が現れる状態のことを「自律神経失調症」といいます。
原因
自律神経のバランスが乱れる原因は、大きく以下の三つであると考えられています。
- ストレス
- ストレスといっても、その要因は本当に様々です。
精神的な要因のものもあれば、人間関係からくるもの、社会的な変化によるもの、気温の変化や騒音・雑音といった物理的に感じるものなど、その要因も多様化しています。
ストレスの感じ方は人それぞれで、性格や体質なども関係していると考えられています。
- 不規則な生活習慣
- 私たちの体は、日中に活動することで交感神経の働きが活発になり、夜になると副交感神経の働きによって眠るというサイクルが備わっています。
昼間ほとんど活動しなかったり、夜遅くまで起きていたりすると、生活にメリハリがなくなり、交感神経から副交感神経への切り替えがスムーズにできなくなってしまいます。それが、自律神経の乱れに繋がります。
- ホルモンバランス
- 自律神経とホルモンには、強い関係性があります。なかでも女性はホルモンの変化による影響を受けやすいため、自律神経失調症は女性に多くみられます。
自律神経失調症のサインや症状
症状
症状は人によって様々で、身体症状、精神症状、複数の症状が重なって現れることもあります。以下のような症状が現れたとき、自律神経失調症と診断されることがあります。
全身状態
疲れやすい、めまい、微熱、ふらつき、食欲不振、良く眠れない、朝起きるのがつらいなど
身体症状
頭痛、耳鳴り、目の疲れ、動悸、息切れ、手足のしびれ・痛み・冷え、胃の不快感、吐き気、下痢、便秘など
精神症状
イライラする、怒りっぽくなる、何もやる気が起きない、記憶力や集中力の低下、不安感や恐怖心に襲われる、落ち込むことが続くなど
女性特有の症状
月経不順、甲状腺ホルモンの乱れ、更年期障害
自律神経失調症の代表的な治療法
自律神経失調症の治療
自律神経失調症の治療としては、医師の診察や上記検査の結果から、生活指導や漢方、抗不安薬や抗うつ薬などによる薬物療法などが行われます。十分な休養、規則正しい生活、栄養バランスのとれた食事を三食きちんと摂る、適度な運動をする、環境を調整するなどの生活改善がとても大切です。
個人差はありますが、症状が十分良くなるまでには最低でも数カ月はかかることが多いです。一旦よくなっても症状がぶり返しやすくなっていることが多いので、治療をやめるタイミングは医師に相談しながら検討しましょう。